セイロンという場所 〜スリランカ〜

セイロンと聞くとまず思いに浮かぶのは紅茶かも知れません。では、インドのダージリン地方にダージリン、アッサム地方にアッサムがあるように、スリランカにセイロンという地域があるのでしょうか。

セイロンの名称の由来は、紀元前5世紀に最初の王朝の初代の王になったとされるウィジャヤが、シンハ(サンスクリット語 simha 。パーリ語はシーハ siha)、つまりライオン(獅子)と人間との間に生まれた親の子供であったことから、子孫をシンハラ、ライオン(獅子)の子孫といい、島の名をシンハ・ディーパ、ライオンの島(法顕の『仏国記』では師子島)と呼んだことに起因しています。インド洋で交易に従事したアラブ人商人は訛ってセレンディープ (Serendip) とし、16世紀に来島したポルトガル人はセイラーン (Ceilão)、そして18世紀にイギリス人がこの島の名をセイロンと呼ぶようになります。
セイロン島は1948年にイギリスの自治領として独立し、その際には国名としてセイロンが用いられました。しかし、その後は多数派民族シンハラ人の国家主義の興隆もあり、他称であり植民地時代の印象を残すセイロンから、1972年にシンハラ人の自称であるスリランカへと変更されています。現在は島自体についてもスリランカの呼称が用いられる場合が多くなって来ました。スリはシンハラ語で、「聖なる」「光輝く」という意味です。一方ランカは、インドにおいて古くからこの地をランカー島と呼んできたことに因んでおり、『ラーマーヤナ』に登場するラークシャサ(羅刹)の王のラーヴァナの根拠地とされるランカー島をも指すと考えられています。

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